医療法人財団報徳会 西湘病院

 
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「手術で回復する認知症もあります 『正常圧水頭症』について」

手術で回復する認知症もあります 『正常圧水頭症』について

「認知症は治らない」とあきらめていませんか?
認知症の原因にはいくつかありますが、「正常圧水頭症」という脳の病気が原因の場合は、手術で回復することができます。

「正常圧水頭症」は、脳から背中を通って腰まで流れている「髄液」という水が、脳の中心にある「脳室」に過剰にたまり、周りの脳を圧迫する病気です。

この病気になると次の症状が出ます。
①認知症
物忘れ。集中力・意欲・自発性の低下。無表情で一日中ぼーっとしている。
呼びかけても反応が鈍い。趣味を楽しまなくなる。
②歩行障害
小股でよちよち歩く。足を開き気味に歩く。足を引きずる。
第一歩が出ない。突進歩行(うまく止まれない)。不安定で階段が使えない。転倒。
③尿失禁
頻尿。尿意切迫。失禁。
アルツハイマー病のような徘徊や、パーキンソン病のような手の震えはありません。

「正常圧水頭症」かどうかを調べる検査は、まずCTとMRIで脳室拡大の有無を見ます(外来で可能です)。
症状と画像所見で正常圧水頭症が疑わしい場合は、「タップテスト」という検査をします。
腰椎に細い針を刺して、髄液を30ミリリットルほど抜き、症状が改善するか様子をみます。
もしも症状が1~2日程度で軽くなるなら、手術することを考えます。

診断が確定すると「シャント術」という手術を行います。
これは、脳室に過剰にたまった髄液を、体内に入れたチューブを通して腹腔などに流し込む手術です。
流した髄液はお腹で吸収されて体内の循環に戻り、術後は1週間程で退院できます。

シャント術による症状の改善率は「認知症70%」「歩行障害90%」「尿失禁70%」と言われています。
すぐに効果の出る方もいれば、流す髄液の量により数週間から数ヶ月かけて改善することもあります。

「正常圧水頭症」は発見が遅れて症状が進行すると、治療効果が少なくなります。
①~③の症状に心当たりのある方は、早めに専門医に相談されることをお勧めします。

(平成24年5月18日発行 まちの情報紙 ポスト No.1624(ポスト広告)より抜粋)