医療法人財団報徳会 西湘病院

 
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「頭を怪我した時の対処」

「頭を怪我した時の対処」

頭皮は体の皮膚のうちで最も血管が多いので、ちょっとした傷でも出血します。
顔や服に血が垂れると大出血のように見えますが致命的な大出血は稀なので、慌てないことが大切です。

まずは圧迫止血をしましょう。
頭の傷を覆うように清潔な布を当て、傷の周囲を強くおさえます。
止血ができたら、以下の症状があるか確認してください。
「意識がおかしい(目を見てしっかり話ができない)」
「頭痛や吐き気、嘔吐がある」
「手足の動きが悪い」
「手足や顔のけいれん」
どれか1つでも当てはまれば脳神経外科に行き、精密検査を受けましょう。
特に「意識がおかしい」「手足の動きが悪い」場合は危険な兆候です。
救急車を呼びましょう。

外出血が激しいと、多くの方は頭の中の損傷を心配されますが実際は外に出血しない「内出血」の方が問題です。
「内出血」は少量でも血腫となって脳を圧迫するからです。

頭の怪我で問題なのは、「脳の損傷」です。
「意識がおかしい」「嘔吐」「痙攣」などの症状は脳の損傷によるものです。
「頭蓋骨骨折」も、脳が傷つかなければそう心配なものではありません。
残念ながら、専門医でも診察だけでは内出血の有無は判断できません。
頭部CT等で内出血を確認する必要があります。

受傷後24時間以内に特に症状がでなければ大丈夫ですが、1つだけ心配なのは、「慢性硬膜下血腫」という病気です。

これは頭や顔をぶつけた後、しばらくたってから脳の表面にじわじわ血液がたまる病気です。
「歩くときにふらつく」「物忘れがひどくなる」といった症状がみられます。
CTやMRIといった脳の断層写真で簡単に診断でき、軽症のうちに手術すれば非常によくなる病気です。

心配な方は受診することをお勧めします。

(平成24年5月11日発行 ポスト広告No.1623より抜粋)