「ICG術中ビデオ血管撮影システム搭載の手術顕微鏡」
当院では昨年より、「ICG術中ビデオ血管撮影」搭載の「脳神経外科手術顕微鏡」を新しく導入し、 「脳動脈瘤クリッピング術」「浅側頭動脈-中大脳動脈バイパス術」「巨大脳動脈瘤に対するバイパス術」「脳動静脈奇形摘出術」「頸動脈内膜剥離術」などに対して、従来より安全に、脳血管外科手術が行えるようになりました。
「ICG術中ビデオ血管撮影」とは、静脈内にICG(インドシアニンという蛍光色素)を投与し、その波長を近赤外線で可視化することで血管内の血行循環動態を把握する方法です。
これにより、脳血管外科手術の成功を確認する「血管内の血液の流れの有無」という極めて有益な情報を得ることができます。
従来はクリッピング術の成功を確認するためには、「カテーテル」を使った術中血管撮影が必要でした。しかし、手術中のカテーテル検査は、通常の検査時よりもリスクが高く、画質も悪いため、広く用いられる手法ではありませんでした。
ICG術中ビデオ血管撮影法は、脳神経外科領域では2003年に世界で初めてその有用性が報告され、以来、次々とICG撮影装置のついた顕微鏡が開発されました。
今年2月より最終的薬事承認が得られ、この4月から術中血管等描出撮影の診療報酬項目が新設されました。
今後ますますこの顕微鏡が導入される施設がふえてくるものと思われます。
(平成24年4月20日発行 ポスト広告No.1620より抜粋)